歯並びや噛み合わせを整える歯列矯正には、ワイヤー矯正、マウスピース矯正などさまざまなものがあります。どれがを選んだらいいのでしょうか?
この記事では、それぞれの矯正方法のメリットとデメリットをご紹介!
矯正を始める前にさまざまな矯正方法の種類を確認しておき、後悔の無い歯列矯正をしましょう。
ワイヤー矯正(表側矯正)
歯の表側に「ブラケット」と呼ばれる装置を接着して、「ワイヤー」を通して歯を動かしていく矯正方法です。
昔からある矯正方法なので、矯正と言えばこの「ワイヤー矯正」をイメージされる方が多いのではないでしょうか?
銀色でギラギラ目立つ従来のブラケットやワイヤーの他、白や透明の目立ちにくいブラケット(審美ブラケット)やワイヤーを選択することも可能です。
メリット
・適用範囲が広い
・抜歯を必要とするような難症例に対応できる
・装置が目立つが、カラーゴムなどでかわいくすることはできる
デメリット
・装置が目立つ
・自分では取り外しできない
・矯正器具に食べかすが挟まりやすいため、虫歯や歯周病になるリスクが高い
・器具が口腔粘膜に当たり、痛みや口内炎などが発生することがある
裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正)
歯の裏側(舌側)に「ブラケット」を接着して「ワイヤー」で歯を動かしていく矯正方法です。
外側からは矯正装置がほとんど見えないので、「見えない矯正」とよばれることもあります。
メリット
・見えないため、見た目を気にせず矯正治療ができる
・表側矯正で治療可能な症例は対応可能
・歯の裏側は比較的虫歯になりにくいため、表側矯正より虫歯リスクが低い
・唇側をぶつけても、傷つける心配がない
デメリット
・自分では取り外しできない
・矯正器具に食べかすが挟まりやすい
・器具が口腔粘膜に当たり、痛みや口内炎などが発生することがある
・発音や滑舌に影響がでることがある
・費用が高額(表側矯正の1.5倍ほどであることが多い)
ハーフリンガル(上顎は裏側矯正・下顎は表側矯正)
目立つ上顎は「裏側矯正」を行い、装置が舌に当たって痛みが出やすい下顎は「表側矯正(ワイヤー矯正)」を行う方法です。
一般的に笑ったときに見えるのは上の歯で、下の歯は上部が少し見える程度。
また下の歯の裏側に矯正装置を装着すると、舌が装置に触れやすく違和感を抱くことが多いです。
このため、裏側矯正を検討していたけれど、説明を受けハーフリンガルを選択したという方は多いです。
下顎は「審美ブラケット(白く目立たない装置)」を選択すると、さらに目立たちません。
メリット
・上下裏側矯正にするよりも、費用が安い
・上下裏側矯正に比べると、痛みが出にくい
・審美性と矯正中の痛みの両方に対処できる。
デメリット
・上は裏側矯正なので、滑舌に問題が出ることはある
マウスピース矯正
透明色のマウスピースを装着し歯並びを矯正する方法です。
歯列に合わせてオーダーメイドで作ったマウスピースを段階的に、新しいマウスピースに交換して少しづつ歯を動かしていきます。
メリット
・透明で目立たない
・自分で取り外しできる
・食事や歯磨きがしやすい
・金属アレルギーの方でも矯正できる
デメリット
・マウスピースを装着する時間が少ないと、矯正がすすまない
・治療できる症例が限定されている
・抜歯をして歯を大きく移動させる症例や、歯のねじれが大きい症例には向いていない(矯正期間が長くなる)
ハイブリッド矯正(ワイヤー矯正・マウスピース矯正を併用)
「ワイヤー矯正(表側矯正または裏側矯正)」と、「マウスピース矯正」を組み合わせる方法です。
ワイヤー矯正である程度歯並びを整えた後に、マウスピース矯正に移行することが多いです。
メリット
・マウスピース矯正が苦手とする歯並びでも治療できる
・治療期間が短縮できる
デメリット
・ワイヤー矯正と、マウスピース矯正の両方を得意とする矯正歯科医院を選ぶ必要がある
セラミック矯正(クイック矯正)
歯の表面を削り、その上からセラミックの人工歯(セラミック)をかぶせることによって、歯並びをきれいに見せる方法です。
メリット
・治療期間が短い(通常1~3か月程度)
・手軽に見た目を改善できる
デメリット
・歯を削る必要がある
・歯並びのがたつきが大きい場合は、神経を抜く必要がある
・歯の傾きや位置を動かすことはできない
まとめ
歯列矯正にはさまざまな種類があります。
どの矯正方法があっているのかは、あなたのお口の状況によって変わります。まずは矯正歯科で相談をしてみましょう。
また、矯正歯科によりそれぞれ得意な矯正方法の種類が違います。
できれば何件かの歯科医院で矯正相談をすることをおすすめします。
歯列矯正は治療期間が長く(2~4年ほど)、費用も高額となります。
セカンドオピニオン、サードオピニオンを受けどのような治療方法がご自身に向いているのかをしっかりと確認し、納得の上で治療を始めるようにしましょう。
コメント